変数
変数は、物語が覚えておくものです。好感度、体力、金貨、いまいる場所、持ち物の中身など。AI は毎ターンこれを読んで、展開に合わせて書き換えます。
変数そのものを普通の言葉で説明するだけ
変数の「ビヘイビアルール」には、この変数が何で、いつ変わるべきか を普通の言葉で書くだけで大丈夫です。[health: -1] のような書き方に触れる必要はありません。AI にはエンジンがもう教えてあります。
✅ こう書く:「物理ダメージを受けると、ダメージの重さに応じて減る。パンチは -5〜-10、刀傷は -15〜-25。休むと少しずつ回復する。」
変数を追加する
カードの下にある 追加できるもの から + 変数 を押します(上部バーの 追加 → 変化する数値 でも OK)。

カードに 変数 のブロックができて、新しい変数の設定が開いた状態で出てきます。

名前を変え、型を選び、初期値と範囲を入れたら、ビヘイビアルール を書きます。プレイヤーの画面にも表示したいときは プレイヤー画面に表示 を押してください。

その下には、さらに 3 つの欄がたたまれています。計算式(自動で計算)、AI での扱い、詳細設定 です。このあと説明します。
あとで直したいときは、変数ブロックの中でその変数を 2 回クリックすればまた開きます。変数が増えてくると、変数ブロックはこんなふうに 1 行に 1 つずつ並びます。

4 種類の変数
| キャンバスでの名前 | 記録するもの |
|---|---|
| 数値 | 増減する数:体力 100、好感度 20、金貨 |
| 文字 | ひとまとまりの文字:現在地、気分、時間帯 |
| スイッチ | はい / いいえ:鍵を持っているか、ある人に会ったか |
| リスト/表 | ものの集まり:持ち物、人間関係、クエストの記録 |
数値には最小・最大を設定でき、エンジンが自動で範囲内に収めます。体力が -30 になったりはしません。リスト/表は一部だけを書き換えられます。たとえば持ち物の最初の武器の耐久値だけを変えたいとき、全体を書き直す必要はありません。
ビヘイビアルール
変数を開いたときにある ビヘイビアルール の欄です。この変数を いつ、どう 変えるのかを、普通の言葉で AI に教えます。ここを書かないと、AI はまずまともに使ってくれません。
この欄は、キャンバスにある「ビヘイビア」という自動化のしくみとは別物です。
いいビヘイビアルールの例
変数:体力
これはプレイヤーの体力。0 = 死亡。死の場面を描写してゲームを終える。1-20 = 危険(出血、呼吸困難)。20-50 = 負傷(痛みで動きが鈍る)。50-80 = かすり傷。80-100 = 健康。 物理ダメージを受けると、重さに応じて減る。パンチ:-5〜-10。刀:-15〜-25。高所からの落下:-20〜-40。休むと少しずつ回復(1 回につき +5)、治療すると +10〜+30。1 ターンで 30 を超えて変化させない。
効く書き方
数値の範囲:それぞれの範囲が物語の中でどんな状態か
0 = ゲームオーバー。1-25 = 絶望。26-50 = 苦戦。51-75 = まずまず。76-100 = 自信満々。
いつ変わるか
プレイヤーが村人を助けたり、贈り物をしたり、守ったりすると増える。盗み、脅し、約束破りで減る。
どれだけ変わるか
1 ターンで 10 を超えて変化させない。
TIP
ふつうは 2〜4 文で十分で、考え方と範囲を伝えれば足ります。短い段落より長くなったら削りましょう。
精密トラッキング
数値とスイッチの変数、それに選べる値を決めた文字の変数では 精密トラッキング をオンにできます(キャンバスでは「精密」の小さな札が付きます)。新しく作った数値とスイッチの変数は、最初からオンになっています。オンにすると、物語を書く AI はついでにこの値を変えなくなります。代わりに、専用の小さなアシスタントが毎ターンいまの展開を読み直して、変えるべきか、どれだけ変えるかを決めます。物語を書く AI に書きながら変えさせるより、ずっと正確です。
数値で精密トラッキングをオンにしたら、1ターンの最大増加 と 1ターンの最大減少 を入れます。たとえばどちらも 10 にすると、ひとことほめたら +3、贈り物をしたら +8、きつく当たったら -10、というふうに、好感度がいきなり跳ね上がったりしなくなります。文字の変数でオンにすると、あなたが用意した候補の中からひとつを選ぶようになります。
増加と減少の合計が大きすぎる数値(1 ターンで体力が 500 減る、など)は、精密トラッキングに対応していません。
計算式
数値によっては、AI に変えさせるのではなく、ほかの数値から計算で出したいものもあります。たとえば「攻撃力 = 基本攻撃 × (1 + レベル × 0.1)」。
変数の設定で 計算式(自動で計算) に 基本攻撃 * (1 + レベル * 0.1) のように書きます。すると、ほかの変数が変わるたびに自動で計算し直されます。AI からは見えますが、変えることはできません。四則演算や大小の比較のほか、min、max、round、floor、ceil、abs、clamp、if などが使えます。変数名にスペースやハイフンが入っている場合は、{最大-体力} のように {} で囲んでください。
周回をまたいで保持
AI での扱い の中にある 周回をまたいで保持(プレイヤーごと) にチェックを入れると、その変数はこのプレイではなくプレイヤーに付いていきます。プレイヤーが新しくプレイを始めても、前回の値から続きます。

向いているのは、クリア回数、見たことのあるエンディング、集めた CG、2 周目からしか出ない選択肢など。ビヘイビアの場面と組み合わせるのが一番おすすめです。
AI での扱い
AI での扱い を開くと、中の AI アクセス で、AI が見られるか、変えられるかを決められます。デフォルトはどちらも可能です。ビヘイビアルールに「AI はこれに触らないこと」と書く代わりに、ここを使ってください。 こちらはエンジンが強制してくれます。
| 段階 | AI に見える | AI が変えられる | 向いているもの |
|---|---|---|---|
| AI が読み書き可能(デフォルト) | ✓ | ✓ | AI にしか判断できないもの:好感度、感情 |
| AI は読み取り専用 | ✓ | ✗ | ビヘイビアや画面が変え、AI はそれに沿って演じるだけのもの:段階、評価 |
| エンジン専用(AI に非表示) | ✗ | ✗ | 帳簿やカウンターなどの内部記録。AI の文字数を使わない |
AI に変えさせるのは、AI にしか判断できないものだけにしましょう。計算、段階の切り替え、報酬の記録はビヘイビアに任せます。
AI に見えるタイミング
AI での扱い を開くと、中に AI に見えるタイミング があります。
- 常時(デフォルト)
- 手動:ビヘイビアがオン・オフするスイッチ
- 条件:ある条件を満たしたときだけ出てくる。たとえば「怒りは 0 より大きいときだけ表示」
- オープニング:特定のオープニングから始めたプレイにだけ出てくる
出ていないあいだ、変数は AI のプロンプトに入らず、プレイヤー画面にも表示されず、AI が変えることもできません。それでも値はずっと保たれていて、ビヘイビアや画面からは普通に読めます。
変数をシチュエーションの中に入れることもできます。その場合、そのシチュエーションが開いているときだけ出てきます。
プレイヤーに変えてもらう(Lore Shift)
Lore Shift 拡張を入れているプレイヤーは、自分のプレイの中で設定や数値を書き換えられます。そのためには、まずカードの設定で セッション内編集を許可 をオンにし、開放したい変数の 詳細 で プレイヤーがセッション内でこの値を編集できる をオンにします。影響するのはそのプレイヤーのプレイだけで、元のカードは変わりません。デフォルトではすべてオフです。
