AI
どのカードにも、最初から AI がひとりいます。名前は 語り手。プレイヤーがひとこと言えば、ひとこと返します。ほとんどのカードは、この AI だけで十分です。
地下室のネズミの王様に自分なりの気性で話させたい、小さな妖精に 5 ターンごとに裏で帳簿をつけさせたい、というときは、AI をもうひとり追加します。
AI がひとり増えるごとに、毎回モデルの呼び出しが 1 回増え、そのぶんマッシーもかかります。 追加する前に、本当に別の AI が必要か考えてみてください。設定を 1 件書き足せば済むことも多いです。

AI はどこにいるか
カードと各シチュエーションの一番下には AI の行があり、1 行に AI がひとりずつ、名前とタイプ付きで並んでいます。AI は、いる場所で有効になります。
- カード にいる:いつでもいる
- どこかのシチュエーション にいる:そのシチュエーションが開いているときだけいる
- まだどこにも置かれていない:有効ではない。ひとまず置いておくだけ
AI が知っていることも、どこにいるかで決まります。カードにいればカードの設定を読み、シチュエーションにいればカードの分とそのシチュエーションの分を読みます。ある設定をこの AI だけに知らせて、ほかの AI には知らせたくないときは、その AI の設定の それだけが知っている に入れてください。
AI の行は、別のシチュエーションやカードへそのままドラッグできます。引っ越しのようなものです。
AI を追加する
追加 → AI 呼び出し を選びます。いま見ているシチュエーションに追加され(シチュエーションを選んでいなければカードに追加)、同時に右側にその設定が開くので、まず一番上でどのタイプの AI にするかを選びます。あとで変えたいときは、その行をクリックすればまた右側に開きます。
4 つのタイプ
| タイプ | いつ動くか |
|---|---|
| ターン型 | プレイヤーのターンに合わせて動く。プレイヤーがひとこと言うたびに返す。または数ターンごとに裏で動く。または別の AI が返事をしたあとに動く |
| UI 型 | プレイヤー画面のボタンに呼ばれるのを待つ |
| コード型 | 自分でタイミングを見る。ある数値が条件を満たしたとき、あるシチュエーションが終わったとき、しばらく静かになったとき |
| カスタム | フォームでは作れないもの。キャンバスで場所だけ取っておき、コードで実装する(下で説明します) |
設定の いつ動くか で細かく選びます。

- プレイヤーが話すたびに返事をする:おなじみの「語り手」のタイプです
- 数ターンごとに裏で動く:プレイヤーには話しかけません。要約や帳簿付けに向いています
- 別の AI が返事をした直後:指定した AI が返事をし終えたら、続けて動きます。たとえば語り手が物語を語ったあと、「ツッコミ役」がひとこと添える
- プレイヤー画面のボタンから呼ぶ:作ったら、プレイヤー画面でボタンに AI を呼ぶ の手順を追加します
- ある数値が条件を満たしたとき:条件が「成り立たない」から「成り立つ」に変わった瞬間に 1 回動きます。成り立ち続けていても、何度も動いたりはしません
- あるシチュエーションが終わったとき:ダンジョンをクリアしたら、その中身を読んで、次の場所への申し送りを書きます。裏方の AI で一番よく使うタイミングです
- しばらく静かになったら、口を挟むことがある:プレイヤーがゲームを開いたまま、指定した秒数だれも話さないと、ひとこと挟むかどうかを自分で判断します。言うことがなければ黙っていますが、判断するたびに呼び出し 1 回とカウントされます
カスタム:コードのための場所を空けておく
フォームでは作れない AI もあります。舞台上のふたりのキャラクターが、それぞれコードでしか扱えない決まりを持っている。部屋で何が起きたかを見てから口を開く監督がいる。こういうときは カスタム を選びます。
カスタムにすると、この AI は場所取りになります。名前があり、どこかのシチュエーションにいて、そのシチュエーションの設定を読む担当ではありますが、自分では動かず、コードで動かします。コードは書けなくても大丈夫です。付箋を貼って何をしてほしいか書いておけば、AIアシスタントか、「AI を接続」でつないだ外部の AI が書いてくれます。
書き終わると、この行をクリックすれば、どのファイルの何行目で実装されているかが見られます。まだなら空のままで、「未実装」と表示されます。
グループチャット
同じ場所にプレイヤーへ返事をする AI がふたり以上いると、グループチャット・順番に返答 になります。プレイヤーがひとこと言うと、AI がひとりずつ順番に返します。吹き出しはひとりにひとつで、誰の発言かが書かれます。


- カード の場合:まず語り手が話し、そのあとカードにいるほかの AI が順番に続きます
- シチュエーション の場合:シチュエーションに専用の AI がいるときは、デフォルトでその AI たちが語り手の代わりに話します。語り手の行は薄くなり、右側に カードの AI も というボタンが出ます。押すと語り手も残って一緒に話します。語り手がいるときは、ボタンが カードの AI は外す に変わり、押すと語り手が席を譲ります
プレイヤーが再生成しても、グループチャットの後ろの話し手は同じ AI が言い直すので、取り違えは起きません。
Context:AI が毎ターン読むもの
カードとそれぞれのシチュエーションの一番下に Context のブロックがあります。クリックすると、ここの AI が毎ターン受け取るものが右側に並び、いくつかは自分で決められます。

- 会話履歴:予算内すべて(デフォルト。できるだけ全部渡し、入りきらないときだけ古いものから落とします)、最新 N 件(安く済みますが、AI は前のことを忘れます)、要約 + 最新 N 件(はみ出したターンを要約にまとめ、先頭に付けて渡します)。要約を選ぶと 要約で残すべきこと も書けます。たとえば「交わした約束と、誰が誰に何を借りているかを必ず残す」。要約は安いモデルで裏で更新され、プレイヤーの負担は 1 回あたりたいてい 1 マッシー未満です
- 固定メモ:毎ターン会話の末尾近くに置かれる一文です。AI がいちばん素直に聞く位置なので、文体の注意や長く守ってほしいルールに向いています
- コンテキスト予算:AI が 1 ターンに読める量です。デフォルトは プレイヤーの設定 に従います。このカードの設定に固定 をオンにすると、あなたの設定が優先されます
- このターンに AI が読むもの:常駐の設定、履歴、キーワード待ちのエントリ、変数を、実際に渡す順に並べ、おおよその token 数を添えています。AI がよく忘れる、話がずれていく、というときはまずここを見てください
- 詳細設定 には キーワードを遡る件数、連鎖トリガーの深さ、AI に見せる変数(すべて / 変化したものだけ / なし)もあります
スマートトラッキング のスイッチは カードの設定 にあり、カードの AI の行をクリックしても出てきます。どちらも同じスイッチです。
何を覚えているか
どの AI の設定にも、記憶と「つなぐ」の部分があります。
- 会話ぜんぶを覚えている、ここで話したことだけ覚えている、「○○と記憶を共有」:シチュエーションの記憶と同じしくみです
- 読む直近のメッセージ数:たとえば戦闘シーンの AI なら、直近 10 件だけ読めば十分です。安く済みますし、300 ターン前の雑談に引っぱられることもありません
- + 一本つなぐ:ほかの場所のものを、この AI に読ませます。あるシチュエーションでの出来事、裏方の AI が書いたもの、あるシチュエーションの変数、あるシチュエーションでの発言そのもの、をつなげます。つないだ出来事は 実体験(主人公が自分で体験したこと)としても、記録(調べてわかった記録で、自分の体験ではないもの)としても渡せます。発言そのものはとても高くつくので、出来事で足りるならそちらを使いましょう
裏方の AI が書いたものは、ここを通してほかの AI に読ませます。キャンバスには「○○へ書いた」「○○が書いたものを受け取った」のように表示されます。
UI 型 と しばらく静かになったら口を挟む AI には、「つなぐ」の部分がありません。UI 型が何を見るかは、すべて下の 回答形式 の 見えるもの で選びます。静かなときに口を挟む AI は、直近の会話を自分で読みます。
モデル
モデル はデフォルトで プレイヤーの選択に従う です。AI ごとに指定することもできます。たとえばネズミの王様には、ちょっとおしゃべりなモデルを使う、など。プレイヤー側で指定のモデルが使えないときは、自動でプレイヤーが選んだモデルに戻るので、カードが止まってしまうことはありません。
回答形式:AI にきっちり答えてもらう
AI の設定の どこにいるか の下に、たたまれた 回答形式 があります。ふだんは使いませんが、ミニゲームを作るときにとても役立ちます。
たとえば酒場の「占いキノコ」。プレイヤーがボタンを押すと、2 つのことを答えます。運勢(大吉 / 吉 / 小凶 のどれか)と ラッキーナンバー(1〜9)。運勢はプレイヤーに語りかけ、ラッキーナンバーは変数に保存します。

- 見えるもの:見せる変数をいくつか選ぶ、読む直近のメッセージ数、自分の過去の返答を覚える かどうか
- プロンプト片(条件が成り立つ間だけ):たとえば「酔い ≥ 5 のとき、追加:占いキノコは今夜飲みすぎて、言うことがしどろもどろ」
- 返答:デフォルトでは文章で 1 つ返すだけです。項目を追加すると JSON で返すようになり、項目ごとに型(テキスト / 数値 / 選択肢 / リスト)と行き先を選びます。行き先は そのせりふ、変数(にする / 加算 / リストに追加)、ストーリーイベント、または 返すだけ
- せりふの行き先:ストーリーへ(デフォルト)、画面に返すだけ、画面のチャンネル
- 失敗したとき:最大何秒待つか、何回やり直すか、何秒クールダウンするか、予備のせりふ(ランダムでひとつ選ばれる)。それでも失敗したら選択肢からランダムに選ぶ にチェックを入れておけば、モデルがへそを曲げても、「選択肢」の項目には正しい答えが入ります
モデルから返ってきたものはチェックされます。選択肢は選択肢の中からしか選べず、数値は範囲内に収められます。合わなければヒント付きでもう一度聞き、それでもだめなら予備のせりふを使います。
コードが書けるなら、カードの画面のコードから api.callAi("占いキノコ", input) で直接呼び出して、{ text, fields } を受け取れます。詳しくは上級編:APIリファレンスへ。
AI 分担表
カードに AI が複数いるときは、表示 → AI 分担表 で大きな表が見られます。設定と変数のひとつひとつについて、どの AI に見えて、どの AI が変えられるかの一覧です。AI が増えると混乱しやすいので、ネズミの王様が知るべきでないことを知っていないか、この表で確かめられます。
うまくつながらないとき
AI の設定が足りていないと、キャンバスが この繋ぎ方では動きません の下で、どこがおかしいか教えてくれます。たとえば:
- 「いつ動くか」を選んでいないので、この AI は永遠に動かない
- 裏方の AI に何もつながっていないので、書くものは作り話にしかならないうえ、お金もかかる
- 待っている相手の AI がプレイヤーに返事をしないので、いつまでも順番が来ない
表示に従って直せば大丈夫です。直したらプレイテストしてみましょう。プレイテストのタイムラインには AI ごとに 1 本ずつ線があり、誰が話したか、誰が起動したけれど黙っていたかが全部見られます。
