モジュール
モジュールは、これまで使ってきたロアブックです。 名前が変わったのは、入れられるものがエントリだけではなくなったからです。
はじめは、切り替えられるエントリの集まりでした。そこに変数が入るようになり、挙動が入るようになり、独自の画面を持てるようになり、最近は独自の AI と記憶まで持てるようになりました。ここまで来ると「本」では言い表せません。もう本ではなく、ひとつの場所です。
つまり モジュール = エントリ + 変数 + 挙動 + 画面 + AI とその記憶。エントリだけ入れれば本のまま。全部入れればダンジョンになります。
カードそのものがモジュール
カードを作り、開幕、キャラクター、世界観を書く。それらは「モジュールの外」にあるのではなく、カード自身のモジュールの中にあります。
だからモジュールのページの一行目は必ずこのカードです。「このカードにはまだモジュールがない」という状態は存在しません。あるのは「モジュールがひとつだけ」で、ほとんどのカードはそれで足ります。
もうひとつ作れば、もうひとつの場所
探検もののカードを考えます。町がひとつ、ダンジョンが三つ。
メイン・灰岸の町 世界観 · 主人公 · 移動ルール · HP と死 · 灰岸の町 · 噂
ダンジョンA・錆淵坑 世界観 · 主人公 · 移動ルール · HP と死 · 錆淵坑 · 侵食ルール
ダンジョンB・白骨雪原 世界観 · 主人公 · 移動ルール · HP と死 · 白骨雪原 · 体温ルール
ダンジョンC・霧の塔 世界観 · 主人公 · 移動ルール · HP と死 · 霧の塔 · 登塔ルールはじめの四つはどこにでもあり、あとの二つはその場所だけのものです。
はじめの四つは四つのコピーではありません。カードのものであり、カードのものはすべてのモジュールに届きます。四つの場所で見える HP は同じひとつの変数で、「移動ルール」をどこで直しても四か所すべてが変わります。モジュールのページで破線に「共通」と付いているのがそれです。
これがモジュールの要点です。それぞれ独立していて、土台はひとつ。
いつ開くか
モジュールごとに決めます。
| 方式 | こんなときに |
|---|---|
| 常にオン | カードの土台。どこでも有効 |
| キーワード | プレイヤーが「坑道」と言ったら入る |
| 条件 | 現在地 == "坑道" のとき |
| 開幕に紐づけ | その開幕で始まった回にだけ存在する |
| 手動 | 挙動が切り替える |
開幕に紐づけは一言添える価値があります。一枚のカードに、まったく別の遊び方をいくつも入れられます。開幕 A で始めた回では、B に紐づいたモジュールは存在しません。オフではなく、その回には無いのです。
新しい三つ:AI・記憶・文脈
ここまでは本のころからできたことです。次の三つが新しく、「モジュール」という名前の理由です。
モジュールのページで「このモジュールが会話を担当する」にチェックを入れると、素材の集まりからステーション——独立した AI——になります。
自分の AI
カードとは別のモデルを使えます。坑道の冷たい語り手と、町のおしゃべりな語り手を、本当に別のモデルにできます。
チェックを入れなければ、モジュールはエントリと変数を語っている AI に渡すだけです。ほとんどのモジュールはそれでかまいません。
自分の記憶
既定では記憶はひとつで、カードとすべてのモジュールが共有します。どこへ行っても、それまでの出来事を覚えています。
ステーションはそこから抜けられます。
- カード全体で共通(既定)— 会話ぜんぶを読む。
- 自分だけ — このモジュールの中で話されたことしか見えません。塔に入れば、その AI は町を知りません。出れば、町の語り手は塔の出来事を覚えています。メッセージは記録から消えません。狭くなるのはこの AI の視界だけです。
- 指定したモジュールと共通 — A と B でひとつ、C と D でもうひとつ。同じ NPC の複数の場面や、ひとつの支線に。
「自分だけ」は無限系の遊び方の要です。ダンジョンに入るたび中の AI はまっさらで、前の回に汚されません。外の世界はすべて覚えています。
どこまで読むか
ステーションは直近 N 件だけを読むよう決められます。カードの設定より優先されます。戦闘に三百ターン分の雑談は要りません。
ほとんどのカードには要りません
普通のキャラクターカードはモジュールひとつで足り、このページを開く必要すらありません。
増やす価値があるのは:
- 一枚のカードに行き先が複数ある(ダンジョン、章、分岐)
- 一枚のカードに始まり方が複数あり、行き先が別々
- ある区間だけ別のモデルで動かしたい、または他を忘れさせたい
エントリを整理したいだけならフォルダで足ります。それはモジュールの仕事ではありません。
既存のカード
何もしなくてかまいません。これまで作ったロアブックはそのままモジュールです。このページを開けばそこにあります。増えたのは「このモジュールの AI」の一節だけで、触らなければ動作はこれまでと変わりません。
